天性の歌声に魂を込めるソプラノ歌手

野々村彩乃AYANO NONOMURA

1991年、山口県出身。26歳。広島音楽高校、大阪音楽大学で声楽を学ぶ。高校3年時、選抜高校野球大会開会式での国歌独唱の歌声が話題に。広島県学生声楽コンクール3年連続金賞。全日本学生音楽コンクールにて高校部門と大学部門で優勝(高校、大学いずれも優勝は史上初)。国内コンクール上位入賞多数。クラシックからゲーム音楽まで幅広く活動中。

天性の歌声に魂を込めるソプラノ歌手

野々村彩乃AYANO NONOMURA

1991年、山口県出身。26歳。広島音楽高校、大阪音楽大学で声楽を学ぶ。高校3年時、選抜高校野球大会開会式での国歌独唱の歌声が話題に。広島県学生声楽コンクール3年連続金賞。全日本学生音楽コンクールにて高校部門と大学部門で優勝(高校、大学いずれも優勝は史上初)。国内コンクール上位入賞多数。クラシックからゲーム音楽まで幅広く活動中。

EPISODES挑戦者たち

奇跡の歌声と称されるソプラノ歌手、野々村彩乃さんに、
声楽家としての日頃の体調管理や食生活、クラシック音楽の魅力、今後の展望などについてうかがった。

2018/1/25 UP

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原点は、幼稚園のおゆうぎ会

野々村彩乃さんが注目を集めたのは高校3年生のとき。高校野球の開会式での国歌独唱は、その清らかな歌声に誰もが心を奪われ、ニュースで取り上げられたほどの話題となった。YouTubeでの動画再生回数は40万回を越え、現在も増え続けている。そんな彼女の原体験は、幼少時代にあるという。

「幼稚園のおゆうぎ会で、私の歌を聴いた先生や保護者の方々が泣いて喜んでくれたんです。それがすごくうれしくて。私の原点です」

その後、小中学校時代は下関少年少女合唱団で経験を積んだ。そして、歌手をめざして広島音楽高校、大阪音楽大学へと進学、本格的に声楽を勉強した。学生時代は、同級生たちと切磋琢磨しながら、好きな音楽に打ち込むことができたという。

「個性あふれる先生方に声楽の基礎を徹底的に教えていただいたおかげで、いまも迷うことなくまっすぐに進めています」

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「言葉、メロディー、気持ち」が大切な要素

「歌手として大切にしていることは、言葉、メロディー、気持ち。3つがバランス良く揃って初めて、私の音楽だと自負しています。そのために、まずは外国語の歌詞の意味を理解し、きちんと発音できる状態に。そして、何百年も前に作曲家が楽譜に込めた思いを読み取っていきます」

それを実現する大前提は、彼女の声。しかし、いい声が出ているかどうかは、野々村さん自身、自分の耳だけでは判断がつかないというから驚く。他人には上手に歌えているように聴こえても、自分のベストの状態とズレていることもあるという。

「自分の声って、客観的に聴くのは難しいんですよ。録音された声も、実際とはちょっと違う。聴いて判断するのではなく、体で判断するんです」

全身で歌うから、体のメンテは不可欠

体のどこかに違和感はないか、しんどくないか。全身の感覚を研ぎ澄ませて自分を観察し、声帯と体をリンクさせるような作業でベストの状態へ近づけていくそう。まさに体が楽器というわけだ。

「自分の力でどうにも解決できないときは、声のチューニングを専門とする先生に指導していただいて軌道修正します」

寝不足や花粉症、少しの体重増減ですら、歌声に影響する。そんなシビアな世界に身を置く野々村さんは、体調管理のために食事や栄養補給にも気をつかっている。

「遠征が多くて外食が続くので、プロテインやペプチドでの栄養補給が欠かせません。以前は回復の遅い体でしたが、練習の前後や本番前にもサプリを飲むようになり、体の軸やメンタルが安定してきた気がします」

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初心を忘れず、心ゆさぶる歌を届けたい

10代の頃から活躍してきた野々村さんだが、意外にも国際コンクールへの出場は未経験だ。

「当面の目標は、世界三大コンクールやヨーロッパのコンクールなどに挑戦して優勝か入賞を果たすことです。そのために磨かなければいけないのは、語学力と高い声をきれいに出すこと」
彼女の声はソプラノの中でも少し低め。作品によっては高い声を出す機会もあるため、いかにきれいに出すかが課題だという。

もうひとつの目標は、全国ツアーをすること。敷居が高いと思われがちなクラシック音楽を、野々村さんはどのように捉えているのだろう。
「たとえば、記念日やお祝いの日におしゃれしてレストランに行ったりしますよね。そういう非日常の感覚でクラシックコンサートを楽しんでもらいたい。だから全国にその機会を届けに行きたいんです」

いつも大好きな音楽に向き合っている野々村さんでも、「もうダメかも」と心が折れそうになることがあるという。そういうときは、きまってお母さんに電話をするのだとか。
「母は、あなたの声を求めてくれる人が必ずいるからがんばれ、と言ってくれて、初心に立ち返ることができます」

かつて、幼稚園のおゆうぎ会で味わった気持ちは、いまでも彼女を支え続けている。そしてこれからも、彼女の声は多くの人を魅了し続けるに違いない。

「歌が大好き。これからも、聴いてくれた方が『なにか心に刺さるものがあった』と感じてくださるような、そんな心ゆさぶる歌を届けていきたいと思っています」

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