不足しがちなタンパク質を手軽に摂れるプロテインサプリメントには、いくつかの種類が存在します。ここでは代表的な3つのプロテイン「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」について、それぞれの成分とその特徴をご紹介します。
ホエイプロテイン
乳由来のタンパク質、製法の違いも把握しておこう
①成分
・乳由来(動物性)
・牛乳に含まれるタンパク質の一種。ミネラルや水溶性ビタミンが多く含まれる
②特徴
・筋肉の合成に必要なアミノ酸を多く含んでいるため、筋肉を修復する効果に期待
・たんぱくな味わいで、飲みやすい
・摂取後の吸収スピードが速い
③その他
・タンパク質を酵素レベルに分解した「ホエイペプチド(※)」は、吸収にかかる時間がさらに短い。一緒に摂ると、ホエイプロテインを単体で摂取するよりも消化吸収のスピードが速くなる。
・トレーニングの最中や終了後など、筋力アップや体力の維持を目的としたときにおすすめ
※ホエイペプチド…タンパク質を酵素分解したもの。低分子化されたぶん、消化が早く内臓に負担がかかりにくい。摂取してすぐ、体に速やかに吸収される。
>WPC/Whey Protein Concentrate(濃縮乳清タンパク質)
原料となる乳清をフィルターで膜処理を行い、ろ過して得られた液体を濃縮します。「濃縮膜処理法」とも呼ばれています。WPC製法は、乳清に含まれるビタミンやミネラルをできるだけ多く残すことができます。タンパク質の含有率が80%前後で、カロリーは比較的に高め。価格はWPIより少し安めです。ただし、WPCで作られたホエイプロテインは乳糖が残りやすく、牛乳を飲んでおなかが張ったり、ゴロゴロしたりする「乳糖不耐症」の方には適さない場合もあります。
>WPI/Whey Protein Isolate(分離乳清タンパク質)
WPC製法で分離されたタンパク質を、イオン交換して作ります。WPI製法は、タンパク質以外の成分の大半が除去されるため、高濃度のホエイプロテインを作ることが可能です。タンパク質含有率も約90%と非常に高く、乳糖の含有率が低いのが特徴。そのため「乳糖不耐症」の方でも安心して飲むことができます。乳糖の含有が低いため、サッパリとした味わいになり乳の風味が苦手な方にもおすすめです。
>WPH/Whey Protein Hydrolysate(加水分離乳清タンパク質)
WPCで作られたホエイプロテインを、加水分解してペプチド状態にします。体内に吸収される速度が通常のホエイプロテインより速いのが特徴。フィルター処理やイオン交換法を用いていないため、タンパク質の含有量はWPIより低くなりますがWPC、WPI、カゼイン、ソイプロテインなどのほかのタンパク質とは異なり、1食あたりの表示タンパク質含有量の大半を吸収し栄養とすることが出来ます。WPC、WPI、カゼイン、ソイプロテイン等のタンパク質は、体内で分解吸収の過程で多くが脂肪への変換や排泄等に回るため、利用効率的にはWPHが最適であると考えられます。
このためWPHは摂取量、摂取カロリーを抑えることが出来ます。未だ理由は判明されていませんが、血中アミノ酸濃度上昇維持は2~4時間とその他のプロテインよりも長いのも、特徴です。少々、細かい話になりますが……「WPH」と言っても、WPCなどのタンパク質に近いのものからアミノ酸単体に近いのものまでさまざまあります。WPHを選ぶ最大の理由は、吸収スピードの速さとWPHならではの特殊な作用(※1)、摂取量の軽減になります。数あるWPH製品を選ぶ判断基準は平均分子量を基準と考えることをおすすめします。
最もおすすめなのが、平均分子量が約400DaのWPHです(単位はDa(ダルトン)になります)。理由は簡単で、例えばロイシンは約131Da、バリンは約117Daになり、この2つのジペプチドであれば、約248Daです。人が吸収できるサイズはアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドになりますので、平均分子量が約400Daであれば3つをカバーできるからです。もし、WPH製品の平均分子量が大きい(例えば平均分子量が2,000Daなど)は、WPC等と吸収スピードがあまり変わらないためペプチドのよさを発揮できないでしょう。吸収できるサイズに分解する工程は、WPCなどと変わらなくなるからです。逆に小さい(平均分子量300Daなど)場合は、アミノ酸に近くペプチドが少ないと考えられます。平均分子量400Daが中心の製品はとても高価ですが、その分のメリットはとても大きいのです。
※1商品のパッケージに製法名が表記されていない場合は、メーカーに直接問合せて製法、もしくは主なプロテインの原材料は何かを質問するとよいでしょう。一般向けに販売されている製品によっては、WPIが100%ではなくWPI+WPCなど混合された製品も存在します。注意して確認してください。
カゼインプロテイン
ホエイと同じ乳由来も吸収スピードに違い
①成分
・乳由来(動物性)
・牛乳から脂肪とホエイを取り除いた不溶性の固形成分で、アミノ酸の一種であるグルタミンが豊富に含まれている。
②特徴
・水に溶けにくく、体内で一度固まる性質があるため「スロープロテイン」とも呼ばれている
・体に吸収されるスピードも遅く、ホエイプロテインの3~4倍の時間がかかる
・体内で一度固まり、ゆっくりと時間をかけて体内に吸収されるため腹持ちがよい
ソイプロテイン
大豆由来の植物性プロテイン、菜食主義の方に
①成分
大豆由来(植物性)
・大豆の成分であるイソフラボンと食物繊維が豊富に含まれている
②特徴
・菜食中心もしくは、菜食主義の方でも効率よくタンパク質を摂取できる
・カゼインプロテインと同様、吸収スピードがゆっくり
③摂取上の注意点
・体づくりの観点からは、植物由来はアミノ酸の組成が乳由来に劣ります。
・女性向けとうたわれることが多いのですが、体づくりをする上で女性でも男性でも必要なタンパク質は変わりません。筋肉・臓器などのことを考えると、乳由来のもののほうがおすすめです
・大豆由来プロテインは、菜食主義の方に最適です。